・シンガポールのIT企業で働きたいけど、どんな職種があるの?
・シンガポール企業は日本企業と働き方って違うのかな…
・シンガポールIT企業の給料は?
こんな悩みや疑問を解決します。
将来、海外で働いてみたいと思う人は、10年前に比べて増えています。
インターネットの発達により、いつでもどこでも、簡単に海外顧客とビジネスができるようになったからです。
そして、海外の中でも、人気が高いのがシンガポール。
実力さえあれば、いくらでも高給取りになれますし、生活環境は日本より安心・安全で住みやすいと個人的には思います。
かめリーマンはシンガポールのIT企業で、働いて5年以上になります。
その過程で、シンガポール(海外)企業の職種や働き方が、日本企業とは全然違うのだなとわかりました。
海外のIT企業の職種をざっくりまとめると、こんな感じです。
・セールス
・プリセールス
・デリバリー
・マネジメント
今や、外資系の企業の多くが、シンガポールにアジア地域の本社を設立しています。
世界中の大手企業が集結しているので、シンガポールでの働き方は、海外の標準スタイルと考えて問題ないでしょう。
この記事では、シンガポールにあるIT企業のそれぞれの職種、求められるスキルについて解説した記事になります。
ぜひ、海外で働きたいと思っている方は参考にして、キャリアプランを立ててみてください。
Contents
職種は大きく4つに分類。日本のような何でも屋はいない
オフィスサポート機能(人事、法務、ファイナンス、アドミン)を除けば、職種は先ほども述べましたように、大きく4つに分類されます。
プリセールス→ソリューションを提案する人
デリバリ→ソリューションを実際に提供する人
マネジメント→上記活動において全てのことを最終判断をする人
ざっくり言うとこんな感じです。
それぞれをもう少し細かく見ていきましょう。
セールス(顧客とのコネクション作りに専念)
セールスは日本で営業で端的に言うと、
お客さんとのコネクションをとにかく作る。
シンガポールでは、アカウント営業と呼ばれ、特定の領域を担当する営業が多いです。
例えば、政府、医療、銀行、学校、SME(中小企業)など
また、ソリューション軸での営業もいます。
例えば、ビルマネジメントソリューション営業、サイバーセキュリティ営業など
アカウント営業は、お客様とコネクションと作って、案件情報を取ってくる。
ソリューションの紹介や提案書の作成などは、プリセールス(後述)に丸投げがほとんど。
日本と比べて、お客とのコネクションを作るところに、より特化しています。
かめリーマンの経験上、アカウント営業は若い女性が多いです。
特に衝撃的だった営業は、かめリーマンのところに来た、真っ赤なボディコンの20代後半の女の子。
めちゃくちゃ弾ける笑顔で挨拶してきて、プリセールスのメンバを紹介。
その後、会議が始まると、全く関与することなく、全てをプリセールスに任せます。
ずっと携帯とにらめっこ。
(他の営業しているのか、ただネットサーフィンしているのか知りませんが。)
ポジティブに言うと、自分の仕事(お客と繋ぐ)のみを遂行する文化があるのではないでしょうか。
年配でも営業やっている女性は、強固な客とのコネクションを持っていて、ダイレクター(営業チームをまとめる上職)などの役職についています。
営業職での勝ち組でしょうか。
給料はピンキリですが、中堅クラスの営業だと月給が、30万〜60万円、ダイレクター級になると80万〜120万円くらいになると思います。
私のところにいる、通称『ビッグママ』は、50代半ばの営業のおばちゃんで、150万円ほどもらっているようです。高い。。
日本人でセールスをやるのは、シンガポールの企業によほどのコネクションがないと、辛いと思います。
ただ、JOC(日本企業の現地法人を対象)を対象にした、営業さんをリクルートしている求人もちらほらあるので、全く不可能というわけではありません。
プリセールス(顧客にあらゆる解決策を提示する、コストの割り出し)
プリセールスを端的に言うと、
セースルが作ったコネクション先のお客さんに、ソリューションを紹介すること。
こちらはアカウントごとより、ソリューション軸での採用が多いです。
例えば、
ネットワーク製品担当、サイバーセキュリティ製品担当、クラウドサービス担当など。
実際には、お客さんは「この製品が欲しい」とリクエストすることはあまりなく、「●●が実現できるソリューションが欲しい」と言うことが多いです。
つまり、単体の製品知識だけではプリセールスはつとまりません。
ネットワーク製品の中でも、いろいろなベンダーの同様製品の違いなどを把握したり、ネットワーク製品以外のソリューションも浅く広く知っておく必要があります。
製品やサービスを単体でなく、インテグレーションして提案する力が求められます。
また、提案や入札の時には、コスト計算もする必要があります。社内のデリバリー(後述)チームと連携しながら、コストやスケジュールを策定し、提案していく総合的な力が求められます。
プリセールスの給料もセールスと大体同じレンジです。
中堅クラスで30〜60万円、シニアレベルになると80万円前後、ダイレクターになると100万を超えてくる感じです。
かめリーマンの経験上、ダイレクターレベルになると、顧客の要望をしっかりと理解し、質の高い提案をしますが、中堅クラスになるとコスト計算などが雑でテキトーな人も多く見かけました。
日本人のきめ細やかさ、几帳面な性格がプリセールスでは強みとなり、シンガポールでも十分戦っていけるのではないかと思いました。
ただ、英語のスキルはそれなりにないと話にはならないので、要注意です。
デリバリー(プロジェクトマネジメントから納入・運用まで)
デリバリーを端的に言うと、
受注後のプロジェクトを完遂させること。
営業フェーズでは、ほぼ出てくることはありません。(まれにプレゼンなどに同席)
受注確定後に、営業やプリセールスから引き継いで、お客と調整しながらプロジェクトを進めていきます。
プロジェクトの計画をたて、適宜状況をお客に報告し、必要な製品の調達から納入、インストール、試験などを行います。
デリバリーは大きく二つのグループに別れます。
1つ目は、プロジェクトマネージメントをするマネージャ(PM)。
2つ目は、各々の製品知識をもった、エンジニアです。
PMがお客との調整のPoC(Point of Contact)、いわゆる窓口となります。
エンジニアチームは、実際に製品やサービスを構築して、お客様に提供する機能を持ちます。
デリバリーは、セールス、プリセールスに比べて、比較的給料が安いように思います。
理由としては、この領域は要員が、飽和状態だからです。
シンガポールには、アジアの他の国からの出稼ぎが多いです。フィリピン、パキスタン、マレーシアなどから来ている人たちは、デリバリーの人が多いです。
結果、飽和状態となり、給料が低くなる傾向があるのではないでしょうか。
マネジメント(経営の中枢。決断は全てここで実施)
マネジメントは端的に言うと、
全ての決定権を持つ人。
日本で言うと、部長、本部長と言ったところです。
入札対応時の最終価格の確定、新規要員の雇用など、あらゆることの承認権限を有しているのがマネジメント。
部内で、セールスとプリセールスが価格の決定で揉めることがよくあるのですが、その際に最終決定をするのがマネジメントです。
また、シンガポール人は納得いかないことがあれば、なんでもマネジメントに相談(文句?)を言いにきます。
このような難題をうまくコントロールして、チームを前に進めていく船頭のようなものです。
特に転職が当たり前のシンガポールでは、人的リソースの管理がとても難しく、マネジメントの腕の見せ所でもあります。
マネジメントは給料がかなり高いです。セールス、プリセールスでそれなりの結果を出してきた人が、マネジメントのオファーをうけるようです。
給料は月収で、150万〜400万くらいもらっています。
給料はいいですが、精神的にかなりきつい仕事だと思います。
日本人がローカル採用でマネジメントにつくのは稀でしょう。
日本企業のシンガポール現地法人であれば、マネジメントは日本人がほとんどです。
ですが、実際の仕事はローカルのシンガポール人を高給で雇い、丸投げしていることが多いです。
日本人マネジメントは彼・彼女らからの報告を受けて、日本の本社に報告するだけのなんとも無駄なポジションの場合が多いです。
海外で働くには、転職情報をこまめにチェックしておこう。
シンガポールに限らず海外で働くにしても、IT企業の職種は、上記に示したものでほとんどカテゴリできると思います。
将来、海外で現地採用で働いてみたいと思う方がいたら、まずは転職サイトで情報収集をすることが必須です。
できれば、第一段階としては、日系企業で海外に駐在できそうな案件を探すのが良いと思います。
いきなり現地採用は、経験がないと、なかなか採用してくれません。
万が一、採用されたとしても、初めてのことばかりで、失敗する可能性が高いです。
また、生活も日系企業の駐在員のように、何もかも補償されるなんてことはなく、全て自分でやらなければなりません。想定外のコストがかかることもあります。
その点、日系企業は全てが補償されていますし、仮に失敗しても、職を失うことはなく、日本に帰国するだけです。
やり直しがいくらでも効きやすいのです。
なので、まずは転職サイトで海外で働けそうな業界、職種を徹底的に調べること。すると今の自分に足りないスキルなどが見えてきます。それを徹底的に磨いて、海外で戦える力を身につけましょう。
まとめ
いかがでしたか。
シンガポールのIT企業の職種についてまとめてみました。
職種としては日本に比べると、役割(ジョブディスクリプション)が明確です。
日本企業だと、優秀な人材が、営業もやるし、提案書も中心になって記載して、取りまとめる、何でも屋が重宝されますが、シンガポールでは一般的ではありません。
「私の仕事はこれとこれ、それはあなたの仕事」と明確に意思表示をしてきます。
いわゆる、ジョブ型とメンバーシップ型と言われるものです。
シンガポールは完全にジョブ型の仕事のスタイルです。つまり、そのジョブの専門になればなるほど、評価が高くなります。
日本では、状況を把握して、忖度して、上司の仕事をうまく助けてあげる。こういった人の評価が高くなりますね。
もし、あなたが将来海外で働こうと考えているなら、光るジョブ型のスキルを1つ持ち、その上に日本人独特の気配りを付加してあげるスタイルを持つと良いです。
日本人のお客様を第一に考えた、サービス品質の高さに誰にも負けないスキルを1つ持つ。
それが、海外で戦っていく最善の策のように思います。