・海外に駐在することになったけど、子供の日本語が心配
・シンガポールに駐在になって1年…子供が日本語あまり話せない…
・シンガポール駐在でも子供の日本語の力をつけるにはどうすればいいの
海外に夫の転勤で家族同伴での生活がスタート。
2歳児の息子は、インターに通っていて、英語が話せるようになったけど、そのかわり日本語が上達しない。
こんな悩みを抱えている海外在住の駐妻は多いのではないでしょうか。
結論から言ってしまうと、気にする必要はありません。
ただ、将来、子供たちが自分の意思で日本語を勉強できるように、考える力を養っておくことが大切です。
私の家族は、シンガポールに来て7年になります。
息子は1歳半からローカルの幼稚園、5歳からインターに通っており、今は8歳です。
日本語を話すことはできますが、日本人学校に通っている友達と比べると、日本語の力は劣っています。
それでも悩む必要はないと思っています。
息子は大きくなったら、日本語を勉強してくれると確信しているからです。
大切なのは、「今、劣っているとか優れている」ではありません。
子供が大きくなり自立する時に「自分で対応できるスキル」をあらゆる面で向上させておくことです。
「木を見て森を見ず」にならないように気をつけましょう。
この記事では以下について解説しています。
海外駐在で子供の日本語の知識が低くても大丈夫な理由
最低限の日本語レベルを維持する必要性
将来、自立して日本語を勉強させるために子供にすべき教育
Contents
シンガポール駐在妻の悩み…子供の日本語が上達しないけどどうすればいいの?
夫のシンガポール駐在に帯同して数年。
2歳の息子をインターに通わせた結果、英語は話せるようになったけど、その代わり日本語が明らかに変になっている…
このままでいいのかと不安になりますよね。
結論から言うと、悩まなくて大丈夫です。
海外在住期間に、日本語をあまり勉強しないで中学生で帰国しても、日本語の勉強をする意思があれば、日本語も問題なく話せるようになるからです。
アメリカ人で日本語を大人になって勉強してペラペラの人もいます。日本人で英語を3年ほど、頑張ってネイティブなみに話せるようになる人も実際いますよね。
要は本人のやる気次第なんです。
ずっと日本にいても、国語の試験で赤点ばっかり取ってた、かめリーマンみたいな人もいるんです( ・∇・)
ただ、駐在中に「最低限の日本語レベル」を維持する勉強は必要です。
日本に帰った時に、日本語が話せないことが理由で、いじめに会うことがあるからです。
こちらの方が大きな問題です。
日本語が話せなくても、本人が勉強すればいずれ不都合なく生活できます。でも、いったんいじめに会うと、なかなか関係を元に戻すのは難しいからです。
海外に駐在していれば、「子供が日本語をうまく話せないのは仕方のないことだ」とまずは割り切りましょう。
ただ、いじめ防止のためにも、最低限の日本語の知識を勉強できる環境は親がちゃんと提供してあげましょう。
最低限の日本語の知識を入れるには?
日本語のスキルを身につけるには、毎日の勉強が一番です。
学校の授業後にスポーツなどの習い事をさせている親御さんも多く、家で日本語の勉強をさせるのは難しいのではないでしょうか。
日本語を勉強させる環境を与える方法はいくつかあります。
日本語補習授業校に通わせるのがベスト
家での勉強が難しければ、日本語を勉強する環境に強制的に入れるのが一番です。
シンガポールの日本語補修授業校では、毎週土曜日にみっちり3時間、漢字の読み書き、作文や読解の授業をしてくれるからです。
かめリーマンの息子も通っているのですが、先生たちの親身な指導で、日本語の基礎はだいぶついていると思います。
漢字は2年生までの漢字も全部覚えています。
作文も多少変なところはありますが、許容範囲の間違いです。
基礎力の維持にベストな選択だと思っています。
日本語が上手でないインターに通ってる子供たちでクラスが構成されていますから、日本語が話せないことによるいじめはありません。
みんなと3時間、日本語でコミニュケーションできるのはとても貴重です。
シンガポールでは日本語補修授業校の他にも、日本語文化継承学校やWAOシンガポールなどで日本語を学ぶことができます。
子供が小さくてまだ補習校に入れる歳ではない場合はどうするの?
子供がまだ幼児で、補修校に行かせられないご家族もいるかと思います。
この世代では日本語の勉強をどうしようとまだ考える必要はありません。
おうちでパパ・ママがしっかり日本語で会話をしていれば、言語回路は日本語で作られるからです。
「せっかくシンガポールに来たから家でも英語で話す」、「本やテレビは英語のものしか見せない」人もいますが、これはおすすめしません。
家で英語で話したり日本語で話したりすると、どっちも微妙な状態になります。
その結果、中途半端な言語回路が脳に形成されて、英語も日本語も微妙になってしまいます。
この時期に大切なのは、「子供にあなたの母国語は日本語だよ」としっかりと脳回路に染み込ませることです。
今後の人生を全て英語でコミニュケーションするなら構いませんが、そうでなければ日本語で会話をするようにしたほうがいいです。
将来を見据えて日本語のスキルを上げるのではなく、日本語を勉強するモチベーションを上げてあげる
上述の「シンガポール駐在妻の悩み…子供の日本語が上達しないけどどうすればいいの?」で述べたように、大切なのは日本に帰国した時に、日本語の勉強に対するモチベーションを持たせることです。
「別に英語話せるから、日本語勉強しなくていいや」とか「日本語うまく話せないから、学校行くの嫌だなぁ」思ったら、子供は絶対に勉強しないです。
このようにならないためには、普段から日本語で物事を考え、日本語がベーシック言語になっていることは最低条件です。
カメリーマンのお友達家族の6年生は、日本語補修授業校をやめてしまいました。
パパがフランス人でフランス語がベーシック脳になってしまったからです。
日本語の勉強をする意味もよくわからない、宿題はいっぱいあって辛い、授業もついていけないと悪循環になってしまいました。
勉強する意味がわからないと思われたら致命傷です。
それでも勉強することに対するモチベーションが維持できていれば、まだ勉強を続けていた可能性はあると思います。
楽しいなって思っていることは、続けることができますよね。
では、どうやってベーシック言語を日本語にして、勉強するモチベーションを上げられるのでしょうか。
1つの方法として、本を使っての「読み聞かせ、音読、ディスカッション」がおすすめです。
本には以下のメリットがあるからです。
読み聞かせ:日本語で物事を考える習慣の定着
音読:日本語のアウトプット力の向上
ディスカッション:日本語による思考力のアップ
良質な本を選べば、子供にワクワクさせる気持ちや、頑張ろうと思う気持ちを子供に与えることができます。
これが将来の日本語を勉強するモチベーションの維持・アップに役立ちます。
「この主人公は、新しいことにチャレンジしてこんなにいいことがあったね」と話してあげましょう。
「●●もたくさん新しい日本語覚えたら、いいことあるかもね。もっといろいろな本が読めるよ」など応援してげましょう。
パパ・ママも、今まで見えなかった子供の性格に気付いたりできることもあります。
我々は思っている以上に、子供の脳の中を把握できていないと気づけますよw
参考にカメリーマン家族が実践している、本の使い方を紹介しておきます。
1.何も言わずに本を読ませる
2.パパ・ママも内容を知りたいから声に出して読んでもらう
3.子供に感想を聞きながら、いろいろと本の内容を深掘り質問する
4.パパ・ママの感想を言う。ここで本のストーリから伝えたいこと(チャレンジ・失敗しても諦めないなど)を話す
5.週に1回ほど、同じ本で1~4を繰り返す
たくさんの本を買うより、子供が好きな本が見つかったら、その本で何度も何度もディスカッションするのがいいです。
子供は感性豊かでなので、毎回違う感想だったり、こちらも予想外の質問をしてきたりします。
より思考力もアップしますし、読解力もアップしやすいです。
これを続けることで、子供は脳のなかで、自然と日本語で物事を考えるようになり、本からもらったモチベーションを武器に自分で勉強するようになるのです。
日本語が変だから直すのではなく、あまり気にせずたくさん会話して、子供のイメージをたくさん膨らませてあげましょう。
この脳回路がしっかりとできていれば、中学生や高校生になっ時に自発的に考えて、必要であれば日本語をしっかりと勉強するようになります。
家族がどんなに強制して勉強させても、その一瞬は勉強しますが、いずれモチベーションが低下して勉強しなくなってしまうケースが多いです。
大切なのは、「今の日本語スキルではなく、未来の日本語スキル」です。
今の日本語スキルを気にするパパ・ママは、息子が話せなくて自分が恥ずかしいとなっていませんか。
自分中心になっていませんか。今一度、心の中で考えてみてください。
自分で考えて、自分の意思で勉強できる基盤を作ってあげましょう。
モチベーションをあげるおすすめの本
子供と使う本は、ストーリ性のある本を選んであげましょう。
カメリーマンが息子と一緒に読んで、特に良かった本を参考に紹介しますね。
1つ目は「えんとつ町のプペル」です。絵本で20万部以上も売れている超良本です。
キングコングの西野さんが監修した映画も上映されていますね。
煙に覆われた世界。それが当たり前で誰も疑わない。そんな中に誕生したゴミ人間「プペル」。
大人になる過程で「夢を見る、語る、行動する」ことを捨ててしまう人がほとんどですが、ゴミ人間のプペルは違います。
煙の上にある、まだ見ぬ世界へ行くための挑戦が始まります。
子供には、知らないことを知る大変さ。その上にある素晴らしさを一緒に話しています。
絵本ですが、幼児だけでなく、小学生でも十分に楽しめる本です。
二つ目が「おしりたんていシリーズ」です。
おしりたんていには様々な問題の解決依頼がやってきます。
それをププっと解決するまでの過程は、子供の思考力を高めるのに最適な本です。
こちらは小学1年性くらいから、一緒に読むといいと思います。
わからないことに対して、諦めることなく考えて、自分なりのアイデアを出す。
そして解決できたときの、満足感、喜びを味わって欲しいです。
3つ目は「かいけつゾロリシリーズ」です。これは多くの小学生が読んだことがある本ではないでしょうか。
おしり探偵より、ちょっと難しいですがこちらも思考力のアップに最適な本の1つです。
一度読んだだけで終わりにするのではなく、「ゾロリがなんでこうしたのだろうか?」と質問してたくさんコミニュケーションを取ってあげてください。
このような本を通じて、子供にはチャレンジする心、諦めない心を育成することができます。
日本語の勉強が必要になった時に、こういった心がモチベーションの維持に必ず役に立ちます。
ぜひ、本を使って、「将来の日本語のスキル」を伸ばす基盤を作ってあげてください。
まとめ
いかがでしたか。
海外に駐在して、子供の日本語のスキルに悩んでいるご家族には参考になっていただけたでしょうか。
シンガポールのカメリーマンの経験も踏まえて、紹介しました。
大切なのは「今のスキル」ではなく「未来のスキル」です。
そのためには、最低限の日本語の能力を維持しておくことと、子供たちの思考力のアップやモチベーションを高く保つ力をつけてあげることが大切です。
本はとても役にたつツールです。
ぜひ、本を使って子供たちとたくさん会話をして、自立できるマインドを養ってあげてください。