・終身雇用は本当になくなるの?
・終身雇用がなくなって転職する人が増えるの?
・突然クビになっても他の仕事につけるのにオススメのスキルあるの?
こんな悩みや疑問を解決します。
去年のトヨタ自動車の「終身雇用は難しい」発言は日本に衝撃を与えました。
入社したら定年まで働くことができると思っている人がほとんどだからです。
結論から言うと、終身雇用の慣行が日本からすぐになくなることはないと思います。
だた、長く働いているから給料が高い、長く働いているから役職が上位にいるといった文化は、ここ5年で急激になくなっていきます。実力主義への変遷の始まりです。
この記事では、終身雇用制度の今後を考察し、5〜10年後の働き方について予測してみました。時代に遅れないように必要な仕事に対するマインドと身につけるべきスキルについても解説します。
未来は不確定で何が起きるかわかりません、この記事を読んであなたのキャリアプランの参考にしてくださいね。
Contents
終身雇用の日本独特の慣行はなくなるのか?
なくなることはないですが、今までの会社の慣行(年功序列、新入社員の雇用など)は確実に変わっていきます。
終身雇用制度が維持できるのは、基本的に儲かっている会社です。
潤沢な資金があるから、新卒を一から丁寧に教育し、多くの部門で経験させて、その会社に最適な人材に育てる余裕があります。
状況は変わってきました。右肩上がりの時代はとうに昔のこと。
多くの企業がグローバルの波に飲まれ、外資とも戦っており、疲弊しています。
儲かっている会社自体が、減ってきているのです。
また、ビジネスモデルのサイクルがデジタル化が進んだことで急激に短くなってきています。
何年もかけて育ててきた従業員のスキルでは、ビジネスモデルが変わったことで役に立たなくなってしまうケースが起きています。
とはいえ、もう一度言いますが、終身雇用がすぐになくなることはありません。
詳細は省きますが、雇用した従業員を解雇するのは、企業側もかなりの労力を使うからです。
解雇が難しいので、終身雇用の適用者である、新卒採用や正規社員の雇用人数を減らして、非正規社員の雇用を増やしています。
(参照:https://webtan.impress.co.jp/n/2020/02/18/35338)
2019年は景気がよくなってきていることもあり(コロナ前)、正規の職員・従業員数は前年比18万人増えています。
しかし、非正規の職員・従業員数は45万人増となり正規を大幅にうわまっています。
企業も契約期間を定めて雇用する非正規の方が都合がいいので、増えているのでしょう。
欲しい時に必要な人材をつまみ食いするイメージですね。
このように終身雇用の慣行はなくなりませんが、非正規での雇用が今後は増えていくでしょう。
そういう意味で「企業に終身雇用は難しい」とトヨタ自動車の章雄社長はおっしゃっているのかもしれません。
経団連のレポートでは「世界規模で激しくかつ不連続に変化する Society 5.0※ 時代においては、これまでの新卒一括採用と企業内でのスキル養成を重視した雇用形態のみでは、企業の持続可能な成長やわが国の発展は困難となる。」と述べています。
(※サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、新たな未来社会(Society))
間違いなく、今までの働き方は常識ではなくなっていくでしょう。
そもそも会社の寿命も短くなる。転職は当たり前の時代になる
先ほど述べた通り、同じビジネスモデルを続けていては、企業は業績を維持できないどころか衰退の一途を辿ります。
グローバル化、デジタル化による、パラダイムシフトを考慮し、数年後を見据えて、ビジネスモデルをチェンジしていく。
数年間でビジネス環境がガラリと変わるので、適応できない企業は、淘汰されるのです。
実際に企業の寿命は短くなってきています。
一昔前は「企業寿命は30年」なんて言われてましたが、2017年をみると企業の平均寿命は23.5歳。
それだけ企業がビジネス環境の変化についていけなくなってきているのでしょう。
企業はこの荒波を乗り切るために、必要なスキルを持った人間を雇用し、不必要な社員を減らすために、早期退職の希望者を募集という形のリストラを実施しています。
最近では富士通が2,850人、東芝が1,410人、ルネサスエレクトロニクスが約1,500人の早期退職希望者を募りました。
対象者は、高給取りでマネジメント業務がメインになる高齢社員、中級管理職。
リストラの対象になりたくないと考えるのが当たり前かと思いますが、実は退職希望者は企業の設定した人数を超えている企業が多いのです。
彼らは自己価値がこのままでは通用しないことを早期に理解し、新しいキャリアを形成するためにスキルアップに励み、転職しようとポジティブな人たちです。
これからはこれがスタンダードになっていくでしょう。
同じ仕事をいつまでもする人は会社で価値のない人間となるからです。
企業内で長年働いている経験があるから、ご意見番になれる時代は終了しつつあります。
デジタル化、AI化が進み、今の常識は5年後には非常識に。昔の経験は役に立たない、年を取っても日々勉強し、過去の経験と融合させて、質の高いアドバイス・コンサルができない限り、多くの年配者は無用と判断されます。
年功序列は淘汰されるということです。
企業は本当に必要なスキルを持った優秀な人間を、非正規社員で雇用する。能力の高い人間には非正規で雇って、数千万円出している企業もあります。
高度なスキルがある人間が重宝される。そのスキルも数年後には廃れる。
その時代時代に会うスキルを持つ人間を企業は雇用するし、我々はそれに見合うように自分の価値を成長させ続ける必要があるのです。
数年間で会社を変える転職活動が、日本でも一般的になってくるでしょう。忙しくなりますね。
これからのライバルは日本人だけでなく海外の若者たち
話が少しそれますが、キャリアを考える上でとても大事な話です。
これからは私は日本人、あなたはアメリカ人、君はシンガポール人なんてのは関係なくなってきます。
日本は言語の問題もあり、外国人と日本人は別物のように考る傾向がありますが、グローバルでは皆一緒です。
かめリーマンが働いているシンガポールの職場では、シンガポール人、フィリピン人、マレーシア人、タイ人、中国人、インドネシア人、インド人、オーストラリア人、アメリカ人と非常に多くの国の人がいます。
そこで、お前は日本人だからダメなんだとか、アメリカ人とは合わないとか、言っていたら仕事なんてできません。企業からみると、そんな人を無理して雇用する義務はありません。
誤解を恐れずにいうと、企業からするとあなたが使えるか、使えないかそれだけです。どこの国の人かなんて関係ありません。
個人が企業に価値を与える、だから企業は対価として給与を支給するのです。
最近では積極的にアジア圏の人を雇用している企業が増えています。
厚生労働省がこのほど発表した「「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(令和元年 10 月末現在)」を見てみると、
(参照:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和元年 10 月末現在))
外国人労働者を雇用している事業所数は24万2608ヵ所(対前年同期比12.1%増)で、外国人労働者数は165万8804人(同13.6%増)。
平成19年に外国人雇用状況の届出が義務化されて以来、過去最多の数値を更新したそうです。
確実に外国人はあなたのライバルになってきているのです。
多くはアジアの賃金が安く、優秀な若者たちです。
我々は彼らに負けないようにキャリアを形成する必要があります。
こういう話をすると不安になる方も多いと思いますが、ピンチはチャンスと言いますよね。
外国人や外資企業と仕事をする接点が増えるということです。
当然、英語のスキルは必須になってきます。
とは言え、日本では良くも悪くも、英語ができる従業員は未だに少なく、TOEICで800点とっていれば、職場で凄いと言われるのが現状です。
今のうちに英語のスキルをアップしておくだけで、あなたのキャリアや転職先が何倍にも広がります。
「ふーん、そうなんだ」ではなく、ぜひ行動してください。
海外出張20カ国、海外ローカル採用5年のカメの甲羅が世界を見てきて実感していることです。
英語を学ぶべき理由
・日本で英語ができる人はまだ少ない
・日本のマーケットは縮小傾向
・伸びシロは海外市場にあり
・昇進する可能性が高くなる
・年収が上がりやすくなる
・転職しやすくなる「周りがやっているから」だと勉強は続きません。メリットを明確にすればモチベーションを保てます。
— Shine (@Lazy_Kaishine) April 26, 2020
日本では今のうちに英語をやっておくだけで、優位に立てます。転職活動をする際にも必ず好印象を与えることができます。
https://makenippon.com/wordpress/enjoy-life-english/archives/219
日本人の真面目で高品質の仕事の仕方は、グローバル時代でも重宝されています。
日本人の仕事の質が高いのは、海外で働いていてすごく感じています。
ここは自信を持ちましょう。
ここ数年は中国製品などの低価格、低品質が高価格、高品質を上回りビジネス界を席巻していましたが、最近は傾向が変わってきました。
中価格で高品質、つまり多少高くても良いものを買う傾向が増えてきました。
特にどんどん発展を続けているアジア諸国です。
すでに日本人より給与が高くてお金をたくさん持っています。これ本当です。
そこで日本品質がまた注目を浴びています。やっぱり日本は品質が良い。しかも彼らはお金持っているので日本ブランド意外に安いなと言う感じになってきています。
日本企業に足りないのは、グローバル市場への対応力。そもそも英語ができないから。
グローバルの波に飲まれれないように、しっかりとキャリアプランを考えましょう。そこに英語は必須です。
コロナが雇用を激変させる。無駄の徹底排除でリストラが進む
(※2020年5月に追記)
2019年の12月頃からコロナウイルスが発生し始めて、2020年、3月頃には世界中で大流行。
多くの世界で、在宅ワークが進められています。
「在宅ワークで仕事なんて進まない!」と言っていた多くの人たちも1ヶ月もすると、満員電車に乗らなくて良い、オフィスの無駄な会議がなくなって仕事がはかどる、上司の説教飲み会がないなど、推奨派が増えてきました。
在宅ワークにより、企業に本当に必要な人間が特定され、仕事をしているようでしていない人たちのポジションは減っていくでしょう。
会議に座っているだけで何も話さない人、人に言われるまで仕事ができない人、雑用ばかりしている人、こういった人は在宅ワークに適合できず、働く場所がなくなっていくでしょう。
これからは日本人特有のみんなで手をつないで文化は衰弱していき、成果主義の時代になっていくと思われます。
在宅ワークで捻出できた自由時間を、今のうちに自己価値を高める活動に当て、どこにでも転職できるストロングポイントを作るべきなのです。
新しいスキルを短期間で身につけることが重要
企業は短命、今のビジネスモデルが数年後には成り立たない。
技術の発展に、我々はついていく必要があります。新入社員として入社すれば、キャリアを企業が作ってくれることはもうなく、一人一人が自ら、キャリアプランを構築する必要があります。
中間管理職や高齢者のそれなりの役職の人たちも同様です。
新しい情報を積極的に取り入れて、時代にあったスキルを習得するプロセスを実行しないと生き抜くことは難しくなるのです。
昔と違い、今はIT化が進み、様々な分野の技術やスキルをパソコン1つで学ぶことができます。
自分の価値を高めるには、どういったスキルが今後望まれているかを把握して、あなたの本流スキル以外にその周辺知識を強化するべきでしょう。
「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」の中間とりまとめ宣言で、これからの Society 5.0※ 時代に求められる人材について提言されています。
(※サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、新たな未来社会(Society))
(参照:採用と大学教育の未来に関する産学協議会))
ポイントは赤枠で挙げた4つです
✅外国語コミニュケーション力
→前項で説明した通り。日本人だけで仕事する環境は減っていく。英語は必須
✅柔軟な思考力・クリティカルシンキング
→今やっていることが常識と思わずに、数年後を見据える力
✅1つの専門分野を深く学ぶことで得られる思考のフレームワーク
→まず1つは深く学び、強みとする。その過程で得られた思考過程は他のスキル取得の際に役に立つ
✅パラダイムシフトを見据え、ロードマップを描く
→日々、情報収集を怠らず、数年後の自分の成長する姿を具体的プランに起こす
5年前に、「今の仕事を1年後も同じ時間かけてしている奴はいらん」と昔の上司が言っていました。
それが、「今の仕事とは異なる仕事が1年後にできない奴はいらん」と言う時代になるということです。
大変ではありますが、どんなスキルでも、とことん1年やれば仕事で使えるようになるし、3年でプロレベルになることは不可能ではありません。
10年3つのスペシャリストになることができるのです。3つあれば、どこでもそれなりに働いて、十分な報酬がもらえるでしょう。
まだどんなスキルを身につければ良いか、迷っている方向けに解説してみました。
最近の若者を見ていると、仕事が人生の主流ではなく、人生を豊かにするために仕事がある。
仕事をいかに楽しめるかいうマインドを持っているように思います。
仕事ってそれくらいの感覚でいいのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。
終身雇用がすぐになくなることはありませんが、それに甘えているとあなたの仕事はどんどんなくなっていきます。
グローバル化、IT化により、成功していたビジネスモデルは数年後に廃れてしまう時代です。
我々も新しいスキルの習得を意識的にしていかないと、働く場所がなくなっていくでしょう。
今から、しっかりとキャリアプランを計画し、どこでも勝負できるスキルを身につけることが肝要です。
会社のために仕事をするのではなく、自分の価値を高めるために仕事をする。このマインドが必要なのではないでしょうか。