TOEICのリスニングパートでは、ある程度経験値を積んでくると「ある程度聞き取れているはずなのにスコアが伸びない」と感じることがありますが、これには原因があります。
それは、「各パートの解き方のコツ」を理解していない&身に着けていないということです。
リスニングパートをうまくこなすメリットは、純粋にリスニングパートのスコアが上がるだけでなく、疲労感が残らないのでリーティングパートにも余裕を持ち、集中して取り組めるようになるということです。
この記事では、全パートに共通するコツとパートごとのコツを紹介します。
すべて、800点まで独学で伸ばした私の経験から自信を持ってお伝えします。
Contents
【全パート共通】実力以上の問題にはチャレンジしない&先読み
ここでは全パートに共通するコツについて紹介します。
実力以上の問題にはチャレンジしない
TOEICは時間をかければ答えがわかるというものではありませんし、制限時間が厳しいので、ほぼ瞬間的な解答が求められるテストです。
だから、実力以上の問題にはチャレンジしないのが得策です。
例えば500点の実力の人が、毎回900点をとっている人と同じようにすべての問題を解こうとしてはいけないのです。これは500点の実力では聞き取る力も読み取る力も不十分ですし、900点の人に比べればTOEIC慣れも弱いところでしょう。
私が700点台の頃のマイルールには「パート3とパート4は、3つの問題のうち2つ解答できればよしとする」というのがありました。
問題に対して一つ聞き取れない箇所があってもスルーしていたのです。
リスニングパートは時間通りのペースで問題が進んでいくので、立ち止まって考えることはできません。
だから、あらかじめ実力に応じてチャレンジする問題の数などを決めて、最低限それを正解することに集中するのがいいでしょう。
「先読み」して余裕を持った状態で問題を解く
「先読み」して余裕を持った状態で問題を解きましょう。
先読みとは、リスニングパートで流れる指示文などの時間を利用して、問題文や選択肢にあらかじめ目を通すことです。
先読みに使える時間は以下の通りです。
Part1 Direction:約90秒
Part2 Direction:約60秒
Part3 Direction:約30秒
Part3 Question:各約7秒
Part4 Direction:約30秒
Part4 Question:各約7秒
「先読みしても忘れてしまう」というのが難しいところですが、私はすべての問題と選択肢を覚えるのではなく、解いている問題の次の設問のみの先読み、かつ、一つの選択肢に対して1~2つのワードで暗記というふうにしていました。
「1~2つワード」というのは、例えばWhta is the man talking about?という問題文であれば、「男、話」とイメージづけるなイメージです。最初は慣れないかもしれませんが、練習するごとに効率的に時間を使えるのがわかるはずです。
【パート1】写真を読み取り、英文を予測しよう
パート1では、Directionの90秒を使ってすべての写真に目を通しましょう。
この際、写真をよく見て、人の動きやモノの状態を確認し読まれそうな描写やその中で使われそうな単語や熟語を予想するのがコツです。
こうして余裕を作っておけば、なじみの薄い単語が出てきて聞き取れなかった時などにも消去法を使うといった対応ができるようになります。
私は混乱を防ぐためパート1の時間はパート1、パート2の時間はパート2としていましたが、パート1のDirection時間をパート3、パート4の先読みに使うという先読み方法もあります。。
ただし、リスニングパートの時間にリーディングパートの先読みや先解答をするのは明確に禁止されているので気をつけましょう。
【パート2】疑問詞の聞き取りに集中しよう
パート2で一番重要なコツは「疑問詞の聞き取り」です。
パート2は、どの問題もMark your answer on your answer sheet.のみが印刷されており、問題文も選択肢も読み上げられるだけです。
だから音声に全集中力を向けるのですが、この際に一番聞き取るべきなのは「No〇」の直後に流れる一文で、特にその頭の疑問詞です。
パート2は、この一文に対応する正しい選択肢を選ぶ問題ですが、それが聞き取れた段階で消去法が使えることが多いのです。
「問題文の頭」に意識を集中させましょう。
ただし、すべての問題が疑問詞から始まるわけではありません。
例えば、Don’t you see the review of our restaurant?のように疑問詞で始まらない疑問文や、読まれる一文が疑問文ではないものもあります。
このような問題もあることを踏まえ、柔軟に対応しましょう。
【パート3とパート4】先読み&わからなかった問題への見切り
パート3とパート4の違いは、読まれる文章が会話形式か説明文かという違いがあるのみで、基本的な解答のコツは同じです。
まず先読みです。
1つの設問(3つの問題)を解き終えたら、次の問題文とその選択肢に目を通しましょう。この際、すでに紹介したようにすべてを覚えるのではなく、解くのに必要なポイントだけを意識して頭に残すのが効率的です。
これは感覚的なことなので、練習してこの感覚をつかみましょう。
また、TOEICに関してかなり経験のある人でも、聞きそびれることはあるものです。このようなときは、聞き取れなかった問題は早めに見切りをつけ、切り替えて次の問題に集中しましょう。
TOEICは、読まれた音を思い出そうとしたり、選択肢を読み直しても正解がわかるものではありません。限られた時間を有効に活用するため、諦めるべき問題は時間をかけずに諦めましょう。
まとめ
この記事ではリスニングパートでの解答のコツを紹介しましたが、最も重要なポイントは「先読み」と「見切り」です。
TOEICの出題形式は毎年変わりません。だから、それぞれどのような問題が出るかを知っておけばDirectionを聞かなくてもいいのです。
制限時間はかなり厳しく設定されているので、1分でも10秒でも時間を効率的に使うことが重要になってきます。
しっかりと練習し先読みを習得して試験に臨みましょう。
また、「見切り」も重要なポイントです。
聞き取れなかった問題に執着して、過ぎた問題に集中力を引っ張られるとその次の問題も聞き取れなくなり、一気に多くの問題を落とすことになります。
だから、「ダメかもな」と思ったらさっと見切りをつけて次の問題に集中しましょう。
この記事で紹介したコツは、どれも英語力とは関係ありません。ある程度の基礎力さえあれば、コツをつかんで一気にスコアを伸ばすこともできるのです。
まずはこの記事でコツを理解し、模試で実際に手を使って身につけましょう。