8月のかめの読書感想文1
子育てで知っておいてほしい本シリーズ
ADHDの正体〜その診断は正しいのか
ADHDは、多動・衝動性、不注意を特徴とする障害で、先天的な脳の発達のトラブルによって起きる発達障害の1つとされる。
たいていは成長するにつれて改善がみられるのですが、「大人のADHD」のケースも急増している。
大人になっても症状が残る、あるいは子どもの頃には気づかれず、大人になって初めて診断される場合だ。
こういったケースに、抗ADHCの薬はあるけど、本当に効くのか疑問が残る。
この本では、この疑問に対して、徹底的に調査をして、著者の見解がわかりやすく、そして今までの通説を信じている人には、不都合な「えっ!」と思う真実を知るかもしれない。
子供の頃からADHDと診断されて、大人になっても薬剤投与を続け、60歳になってもなお、薬を投与し続けているケースが増えている。
ここまでくると、薬の意味があるのだろうかと思わざるをえない。
さらにはこんなデータも
2015年に発表された。ニュージーランドの地方都市で同時期に誕生した子ども1037人を対象に、38年もの長期にわたって追跡調査が行なわれた。
その結果は次の通りで。
児童期にADHDと診断された人の9割以上は、年齢とともに治癒した。一方、成人になってADHDと診断された人のおよそ9割は、児童期にはADHDではなかった。
子供からずっとADHDと診断されたケースもあれば、子供の時はそうでなかったのに、大人になってからADHCと診断される。
子供の発達障害がADHDと言う説は、もはや違うのではないかと。。
どうであれ、考えるべきは、どうやったら ADHDになるのを防止できるか、ADGDで苦しんでいる人を助けることができるかである。
学業成績が優先される、真面目に授業を聞くのが正しい。
多動症の子供は障害者に分類される。
多動症も自閉症もそうだが、先天的要因が強いと言われ、親たちは私たちのせいではない、しょうがなかったんだと思わせるようになった。
先天的要因と言う言葉は都合が良い。
しかし、現在、ADHDの生涯数が大きく増加している。先天的要因と言う説が間違っているとは言わないが、環境的要因を考慮に入れるべきだろう。
ルーマニアの例では、孤児のように、子供の頃に不利な養育環境で過ごすことは、成長してからADHDの症状を生じる要因になるという研究結果が発表されている
ここで考えるべきは、大人になってからのADHDをどうやって防ぐかである。
遺伝要因ではなく、環境的要因によるものは、子供の頃に親から虐待やDV、もしくは学校でのいじめなどがあげられる。
これが、愛着の不安定化を起こし、愛着崩壊にいたる。「愛着関連障害」がADHDにつながっていると考えられる。
親は子供に対して、愛着を持って接することは言うまでもないが、それができない家庭が多くいるのも事実である。つい怒ってしまう、それが次第に暴力となり、DVとなる。
こんな状況を救ってくれる方法が、今は開発されている。
心理社会的アプローチである。
親や先生による、愛着の安定化を図る方法であり、子供にとって、大人たちが安全基地の役割をしてくれていることを認識させ流。
すぐに薬の投与ではなく、親のアプローチの仕方で、いくらでも改善可能で、薬の投与はいらなくなるケースはある。
子供が突然暴れ出したり、問題行動を起こすので、対応が難しいからこそ、専門的なノウハウに沿った、社会心理的アプローチは有効なのです。
将来、子供が大きくなった時にADHDを発生させないためにも、幼少期の家族のふれあいを大切にする。
親が子供の問題に、真摯に向き合い始めて、親にも劇的な変化が怒り、一緒に成長していくことができる。
かめの読書感想文
ADHDの正体〜その診断は正しいのか
今まで当たり前と思われていたことが、実は違うかもしれない。この本はADHDに対して、詳細な証拠とともに議論がされているので、納得感が強いです。上記ではかけませんでしたが、親の関わりだけでなく、子供の頃のテレビやゲームのやりすぎがどんな影響を与えるのか、逆に虐待されても、幸せな家庭を気づいているケースなど、多くの議論がなされています。ADHDに関する知識だけでなく、子供への接し方を考え直す、きっかけともなる良書だと思います。