・終身雇用がなくなるかもしれないって話は本当なの?
・突然会社をクビになったらどうしよう。。
・将来に備えて転職考えておいたほうがいいのかな?
こんな不安を抱えている方は多いと思います。
2019年4月19日、経団連の中西会長が「終身雇用なんてもう守れない」と発言しました。
(出典:Yahoo!ニュース「経団連会長”終身雇用を続けるのは難しい”」)
経団連とは、日本の代表的な企業約1,400社からなる団体で、政治や行政に働きかける役割もあります。
そのトップの発言ですから、「終身雇用ってなくなるの?」と不安になります。
2020年1月には、この発言の通りの方向性で、実際に動きがありました。
遂に経団連が動いてしまった…😂
・「日本型雇用」見直しを提起
・デジタル化が進み経済がグローバル化
・終身雇用や年功型賃金などの日本型雇用システムが時代に合っていない
・中途採用や通年採用の拡大
・職務を明確にして働く「ジョブ型」雇用も広げるべきもうこれはみんな逃げられないよ… pic.twitter.com/S1tuGJ88rh
— Minato (@Global_IT_media) January 23, 2020
しかし、安心してください。
当面、終身雇用がなくなることはありません。ただし、確実に時代は変わってきており、個人でやるべきことが出てきました。
「定年まで同じ会社で、これまでどおりに働ける保証がない時代」になってきているのです。
この記事では、終身雇用が当面なくならない理由から、これからの時代に個人ですべきことまでを解説していきます。
今の不安を解消し、すぐに行動できるようにまとめました。ぜひ参考にしてみてくださいね!
Contents
そもそも終身雇用とは
そもそも終身雇用とは、
企業などが、正規に採用した労働者を、特別な場合以外は解雇しないで定年まで雇用することです。
(出典:コトバンク)
よく終身雇用制度と言われますが、「制度」とは言っても、法律などで制度として定められているわけではありません。
ただし、
✅労働基準法上、正当な理由のない限り社員を解雇できないこと
✅高年齢者等の雇用の安定等に関する法律上、60歳未満の定年を設定するのが禁じられていること
から、「60歳定年は、企業のほぼ義務になっている」と言えるでしょう。
終身雇用は本当になくなるのか(→なくなりません)
結論から言えば、終身雇用は当面なくなりません。
これには諸説ありますが、「なくなるとしても30~40年先」と考えるのが妥当でしょう。以下、詳しく解説していきます。
「終身雇用がなくなる」ニュース
多くの方を不安に陥れた、終身雇用関連のニュースをまとめます。
まず、経団連の中西会長は2019年4月19日に「終身雇用なんてもう守れない」と発言した上、22日にも「そもそも終身雇用はルールではない」と時代の変化を強調しています。
また、トヨタの豊田社長も「終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきた」と述べています。
これは、「企業側に終身雇用のインセンティブがあまりない」というのが理由だと言います。
終身雇用は、本来、企業側にも従業員側にも、以下のようなメリットがあるとされていました。
🔘企業側:
社員の育成がしやすい、社員が定着しやすい、社員がどのポジションもこなせるから配置変換しやすい
🔘従業員側:
生活が安定する、長期的にキャリア設計できる
しかし、終身雇用が守れないというのは、企業側の以下のようなデメリットが目立ってきたという背景があります。
✅人件費のコントロールが難しい
✅業績が悪化しても正社員を解雇できない
✅赤字が続いても給料を払い続けなければならない
トヨタ社長の発言の趣旨は、これからの日本を見ると、ほとんどの企業が右肩上がりで業績を伸ばし続けていくのは厳しい局面に入ったということですね。
ニュースを聞いて出てきた心配
終身雇用関連のニュースを聞き、多くの不安の声が寄せられています。
(出典:Yahoo!知恵袋)
これは本当にそう。投資まではいかなくても副業はすべき時代にきてる。政府が副業を推進しているのが証拠ね。
あのトヨタでさえも終身雇用は難しいと発表したくらいだから、もう個人で稼ぐ事を身につけないといけない時代にきてる👵🏻
日本人はお金を知らなすぎる、情報弱者はカモられるよ🦆 https://t.co/szGQ4G3SBZ— 🎀 (@pj00__7) February 2, 2020
(出典:Yahoo!知恵袋)
実際は、こういった不安を投稿していない方も、心のどこかに不安はあるのではないかと思います。
しかし、終身雇用が直ちになくなる、とか、生活保護受給者が増えるというのは少し飛躍しています。
終身雇用に関する専門家の見解
雇用ジャーナリストで、株式会社ニッチモ代表取締役の海老原嗣生氏は、「当面は終身雇用はなくならない」と述べています。
(以下、引用)
当面は終身雇用がなくなることはないと私は考えています。なくなるとしても30年〜40年ぐらい先だろうというのが私の見立てです。
なぜかというと、終身雇用を始めとする今の制度は、企業にとっても労働者にとっても“ものすごーく“都合がいいからです。
(引用終わり)
(出典:リクナビNEXTジャーナル 終身雇用はもう守れないってホント? 雇用のプロが語る未来予想図と企業のホンネ)
海老原氏は、企業が終身雇用を続ける理由として、以下の3点を挙げています。
❶日本企業の採用は、ポストも職務もあいまいな「無限定雇用」
❷だから、誰かが退職しても異動や昇進でポストを埋められる
❸欧米企業のようにポストごとに採用を決めると、異動や昇進で空いたポストを埋められない
また、終身雇用と新卒一括採用が強く連携しているというのも大きな要因です。
(出典:リクナビNEXTジャーナル 終身雇用はもう守れないってホント? 雇用のプロが語る未来予想図と企業のホンネ)
上の図から、新卒一括採用があるからこそ、柔軟な人事管理ができ、これがそのまま終身雇用につながるということがわかります。
【結論】終身雇用は、当面なくなりません
以上のことから、多くの方が心配しているように直ちに終身雇用がなくなるとは考えにくいということがわかります。
しかしながら、「痛みを伴う変化」は避けられません。
一定の年齢以上は肩書が取れ、給料も大幅に減る「役職定年制」を60歳定年制の企業の約半数が取り入れているのです。
役職定年とは「55歳や60歳など、特定の年齢に達した社員が管理職を外れ、一般職や専門職などで処遇される制度」のこと。
主に、人件費の抑制または組織の新陳代謝やポスト不足の解消を目的としています。大企業ではかなりの割合で導入されており、適用された社員は原則、給与ががくんと下がります。
これからは、年功序列で役職や給料が上がっていくという考え方は通用しないでしょう。
経団連会長、トヨタ社長は「終身雇用の維持は難しい」と言っていますが、これは「これまで通りにはいかないぞ、覚悟せよ」という含みだと考えるのがいいのではないでしょうか。
終身雇用はなくならない。でも、会社頼みでは危険!
ここまで解説してきましたが、終身雇用は当面なくならないでしょう。
ただし、だからと言って安心するのは禁物です。会社頼みでは危険なのです。
会社の寿命は23.9年!転職が当たり前の時代に!?
会社頼みでは危険。
この理由は、実は、会社の平均寿命がたったの23.9年しかないからです。
また、産業別に見ると、最も寿命が短いのは金融・保険業で11.7年となっています。
新卒で入った会社が20年ちょっとで倒産するということは、十分にあり得るということなのです。
しかも今後、さらに少子高齢化は進み、長く働く時代になると言われています。
会社の平均寿命よりも、働く期間の方が長いのは間違いありません。
終身雇用がなくなるかどうかよりも、会社が続くかどうかの方に備えた方がいいのではないでしょうか。
以下、これからの時代に備える方法を3つ紹介します。
副業で収入を増やしつつ、「個人で稼げるスキル」を伸ばす
会社に頼りきりにならないためには、個人で稼ぎつつ、将来のためのスキルを身につけるのがいいでしょう。
今、会社に勤めている方には、一番始めやすいのは副業ではないでしょうか。
副業なら、あなたとクライアント(仕事を発注する側)を仲介してくれる、クラウドソーシングサイトがあります。
クラウドソーシングを利用した場合、クライアントから支払われる作業単価の一部を手数料として取られてしまいますが、あなたとクライアントの間の納品、報酬のやり取りを保証してくれます。
案件の種類、報酬にはたくさんの種類、数があるので、サイトに登録してあなたに合ったお仕事を見つければ、だれでも楽しく副業を始められます。
サイトで完了させたお仕事の数などによって、実績がたまっていけば、さらに大きな案件の受注にもつながります。副業で、報酬を得ながら、スキルを磨いてみてはいかがでしょうか。
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「他でも働けるスキル」を身につけるべき
今の会社に頼りきりにならないためには、副業に限らず、「他でも働けるスキル」を身につける方法もあります。
おすすめは資格の取得です。
資格があれば、今の仕事にもつながりますし、その資格を活かせば他の会社で働くスキルにもなるからです。
なお、資格の学校TACの人気資格ランキングでは、誰もが見たことのある資格が上位を占めています。
1位 簿記検定
2位 宅建士(宅地建物取引士)
3位 中小企業診断士
4位 社会保険労務士
5位 税理士
ただし、他で働けるというほどのキャリアアップにつながる資格の取得には、時間もかかります。効率よく短時間で勉強するなら、資格学校を検討してみてはいかがでしょうか。モバイルでいつでもどこでも隙間時間に勉強できるものもあります。
これから伸びる業界に転職する
「転職が当たり前」とまでは言いませんが、これからは、だれもが転職を検討しておくべき時代です。(企業の平均寿命が23.9年と解説した通りです)
定年を待つことなく、会社が倒産したり廃業したりというのは十分考えられるからです。
会社が生き抜けるか、給料が上がっていくかどうかは、どの会社で働くかよりも、どの業界で働いているかで大きく変わります。
(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査の概況」)
赤枠が業界ごとの正社員の給料ですが、業界ごとに年収で100万円以上の開きがあります。
同じ業界内では、会社でのここまで大きな給料の上下は見られません。
だから、給料を大きく伸ばしたい、早めに長く活用できるスキルを身につけたいなら、別業界に転職するのもありです。
例えば、衣食住など、今後ほぼ確実な「人口減少」の影響を直接受ける業界は厳しくなることが予想できます。
その業界から伸びる業界に転職したり、その業界の中でも価値の高いスキルを身に着けるために転職するのはキャリアとしては十分ありですね!
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まとめ
この記事では、終身雇用とは何か、本当になくなるのかということについて解説しました。
一番お伝えしたかったのは、「終身雇用は当面なくならない、しかし、会社頼みでは危ない」ということです。
繰り返しになりますが、企業の平均寿命よりも私たちの働く期間の方が明らかに長いのです。
だから、副業や転職は、今すぐやらないにしても、検討はしておくのが当然の時代と言えるでしょう。
副業人口、転職人口ともに増えています。
今だからこそ、スキルを伸ばしておくのがいいのではないでしょうか。