TOEICを受けたことのある人ならだれもが「時間が足りない」と感じるものですが、この原因は以下の2つです。(もちろん私にも、経験があります)
・パートごとの解き方のコツを知らない&コツを身に着けていない
・そもそも英文の意味を読み取れていない
「時間をかけても正解がわからない」という人は、英文の意味を読み取れていないので、まずは単語力をつけることと、英文を速く読む力をつけましょう。【だれでも効率的に覚えられる】TOEIC単語おすすめ勉強法
この記事では、「パートごとの解き方のコツを知らない&コツを身に着けていない」人のためにリーディングパートの解き方のコツを紹介します。
スコアを上げるためには、コツを十分に知った上で模試などを通して体で覚える必要があります。わたしもコツを身に着けるごとに500点→730点、730点→825点と大きくスコアを伸ばしました。
この記事で勉強したことは必ず模試や問題集で振り返り、コツを身につけましょう。
Contents
【全パート共通】パートごとに1問当たりの時間配分を決めよう
「時間を制する者がTOEICを制する」と言われるほど、時間管理が重要です。
ここでは、わたしが設定していた各問題の時間配分を紹介します。
わたしが決めていた時間配分などは以下の通りです。
※パート7は、シングルパッセージ:29問、ダブル・トリプルパッセージ:25問
予備時間は設けていませんでしたが、パート5とパート6を設定時間よりも早くクリアすることで時間を稼いでいました。
また、パート7は一つの問題文から答えを探す「シングルパッセージ」と2つ以上の問題文から答えを探す「ダブル・トリプルパッセージ」(複数パッセージ)があります。
難易度が異なるため、ここでも時間配分を変えるべきという考え方もありますが、時間管理が複雑になること、問題の難易度にも差があることから、わたしは「1問1分」と設定時間を均等にしました。
TOEICは、1問何秒で解答するかを決めておき、その設定どおりに進めていく「作業」だと言っても過言ではありません。
ここで紹介した時間設定は一つの基準になるので、模試などで時間計測しつつあなたに合ったものを見つけていくのがいいでしょう。
以降、パートごとの解答のコツを紹介しますが、「設定した時間内」に正確に解くというのが考え方の基本です。時間を制する者はTOEICを制するのです。
【パート5】見た瞬間に答えのわかるものを優先しよう
パート5は、1問20秒、合計10分で解き切ります。
まず見た瞬間に答えのわかるものを解いていき、30問を一通り終えましょう。
見た瞬間に答えるには、問題文の空欄の位置がどこにあるか(空欄の前後がどうなっているか)で判断します。
【見た瞬間に答えるための公式】
この公式に当てはまるものには、瞬間的に解答しましょう。
また、以下のような問題は、慣れるまでは瞬間的に判断できないので一度飛ばして30問解答し、その後で文脈を読み取って選択肢を判断しましょう。
・語彙
・時制の一致
・接続詞
・代名詞
・比較級
もちろん試験では、より複雑になっていますし、単語の難易度も高いものですが基本的な構造はいつでも変わりません。
パート5は、
・30問解答→飛ばした問題を解答、という「作業」の速度
・見た瞬間に答えられる問題を増やしていく
の2点がカギになります。【見た瞬間に答えるための公式】を頭に入れ、実際に手が動くようになるまで練習しましょう。
【パート6】解き方の本質は、実はパート5と変りません
パート6は、1問37.5秒、合計10分で解き切ります。
パート6に苦手意識を持つ人は多いですが、解き方はパート5と変りません。
パート5の文法問題が、中程度の英文の中に入っているだけなのです。
解き方は、
・頭から文章を読んでいく
・空欄に当たったらパート5で使ったテクニックで解答する
ということになります。
問題文を全部読まなくても混乱しない人は、空欄の前後と選択肢だけで判断してもいいでしょう。
ただわたしは、より正確に解き、問題文と選択肢の行ったり来たりの混乱を避けるために問題文を頭から読むようにしていました。
パート5と基本的な考え方は変りません。
これを念頭に置きつつ、あなたに合った解き方を見つけるのがいいでしょう。
【パート7】いかに問題文を読まずに解くかがカギ
パート7はパート5、パート6とは全く別の問題です。
シングルパッセージ問題、複数パッセージ問題に共通するコツと複数パッセージ問題独特のコツがあるのでわけて紹介します。
シングル、複数パッセージ問題共通の解答のコツ
以下の3つが共通のコツです。(すべて解答速度を速めることにつながります)
・問題文をなるべく読まないで解く
・設問番号の若い順に解く
まず「問題文をなるべく読まないで解く」ですが、このためには
・問題文のジャンルを理解する
・設問を読む
・問題文から答えを探す
という流れが効率的です。
ジャンルは、実は問題文左上に記載されています。
「Questions 196-200 refer to the following memo.」という指示文から読み取れますね。(memoなので、メモや覚書が題材になっています)
他にもarticle、message、mailなどがありますが、ここから問題文の展開を想像することができるでしょう。(複数パッセージでも同様です)
経験を積めば積むほど、予想できるバリエーションが増えて正確に展開を予想できるようになります。
ジャンルを予想したら設問を読み、「問題文から何を探すか」を明確にします。あとは問題文を読み、その答えを探すだけの作業です。
ここでのポイントは、「答え」がどこにあるかの当たりをつけてできるだけ問題文を読まずに解くということです。
送り状やチラシなどが出題されているときは、計算や該当箇所を見るだけで答えがあることも多いので、当たりをつける感覚を磨いていきましょう。
次に「設問番号の若い順に解く」ですが、これは簡単です。
問題文の話の展開は、いつも「設問で問われる順」になっています。だから、設問番号の若い順に解くのが効率的なのです。
問題文を終わり近くまで読み進めても1問目の答えが見つからない、というときは答えを読み落としていることがほとんどなので、これを目安にするといいでしょう。
複数パッセージ問題の解答のコツ
複数パッセージの解答のコツは一つで、「なるべく読まずに答えを探す」ということです。
シングルパッセージと同じですが、問題文が長いので読んでいては時間がいくらあっても足りません。
複数パッセージは、以下の流れで解きましょう。
・問題文のジャンルを理解する(シングルと同じ)
・設問を読む
・各パッセージの数行を読む
・答えを探す
特徴的なのは「各パッセージの数行を読む」ですが、これは答えのある場所の当たりをつけるためにするのです。
例えばメールのやり取りであれば、数行読めば誰から誰へのいつのメールなのか、何を伝えるためのメールなのかを読み取り、答えがどのメッセージの中にあるかを予想します。
わたしは、メールや複数の書類から情報を整理するという業務をしてから、パート7の解答速度が一気に速くなった経験があります。
この「複数の資料から答えを推測する」という能力は、日本語でも英語でも変わらない能力です。
大量の英文に混乱する必要はありません。
一つ目の資料では何を言いたいのか、それに対して別の資料では何を言いたいのかを落ち着いて読み取るようにしましょう。
まとめ
この記事では、リーディングパートの解き方のコツをまとめて紹介しました。
突き詰めればこれは、「パート5とパート6を速く解き、パート7ではいかに問題文を読まずに答えを探し出すか」ということに尽きます。
どのパートも経験を積むほど「あ、これだ」とか「ここに答えがありそう」というのが解るようになってきますし、その精度も上がってくるものです。
英語力はもちろん必要ですが、ある程度の上級者にとっては答えがありそうな箇所に当たりをつける力(TOEIC慣れ)も必要になります。
この記事にまとめた解き方のコツを参考にして、手を動かして練習していただければ幸いです。