・今の仕事、本当にこのまま続けていいのかな…?
・給料上がらない、会社もどうなるかわからないし、不安…
・専門分野があるわけでもない。AIの台頭、年金問題、終身雇用も厳しそう。。。これからどうすればいいのか、教えてほしい
こんな悩みや疑問を解決します。
結論から言えば、これからの働き方のキーワードは「スキル」です。
どのようなスキルを身につけるか、そして、それをもとに、どのようにキャリアアップしていくかということです。
理由は、社会がこれからどのようになるのか、誰にもはっきりとはわからず、あなた自身のスキルのみが揺るぎない担保となるからです。
これからの働き方に正解はなく、個人で考え、行動していくしかありません(専門家でも意見が異なります)。
この記事では、現状を整理した上で、これからの働き方を考える上でのヒントになることをまとめていきます。
一緒にこれからの働き方について、考えていきましょう。
Contents
これからの働き方を考えるべき理由
「これからの働き方」を考えるべき理由を一言で言えば、社会の変化が大きく、速いからです。
日本経済のピークは過ぎ、技術発展によるグローバル化は進み、人口減少も相まって、雇用や価値観がものすごい速度で変化しています。
Yahoo!知恵袋にも、このような不安の声が寄せられていました。
これからの働き方が不安です。いろいろな情報がありすぎて、混乱してます。
新卒でディスカウントスーパーに就職した22歳女です。
私には不安に思う点が二つあります。
1つ目は、経済的な不安です。
また、二つ目は、今の会社をいつまで続けられるかという不安です。私は、就職と同時に1人暮らしを始め、自分の生計は自分でたてないといけなくなり、お金のことについていろいろ考えるようになりました。
今、年金が2000万足りないといいますが、私の世代は年金がもらえなくなる可能性もあり、もっとお金が足りなくなると思います。
貯金も月4万ほどしかできていないですし、来年からは住民税も引かれるのでもっとしんどくなります。また、働き方なのですが、今の会社は売り上げが落ちる一方ですし、利益が少なくてパートさん1人雇えないような会社です。
将来が不安です…。
これからの働き方が不安な方は、この相談者さんのように、「いろいろな情報がありすぎて、混乱している」状況なのではないでしょうか。
以下、わたしたちを取り巻く現状を整理しながら、これからの働き方について考えていきましょう。
これからの働き方を考えるとき、知っておくべき5つの現状
これからの働き方を考える上で、まずは混沌とした現状について整理して理解しておくことが大切です。
理由は、あまりにも社会の変化が大きく、かつ、速いからです。
以下、整理してまとめていきます。
グローバル化の広がり、負け続けている日本
1995年以降、インターネットの発達によるIT革命が起こり、2020年の現在においてもグローバル化が急速に進んでいます。
しかし、それ以降、日本は負け続けています。
2011年には、日本は世界第2位の経済大国の座を中国に譲り(それまで日本は42年間2位)、世界をけん引できるIT企業はありません。
日本が世界に誇る自動車企業「トヨタ」も、2020年6月にはその時価総額において、創業20年に満たない「テスラ」に抜かれています。
日本のGDP予想も明るくありません。
(2060年には)日本は、2014年ドル価格でみると経済規模(実質GDP)は縮小を続け、インド、ドイツに抜かれ世界5位になる。
「日本経済は、今後世界で注目を浴びることはない」という見方が大勢なのです。
人口の減少と寿命の上昇
これからの働き方を考える上では、今後の人口減少と寿命の上昇も押さえておく必要があります。
まずは人口ですが、総人口の減少、生産年齢人口、若年人口の減少が顕著で、2050年まではこの傾向は続きます。
一方で、寿命は伸び続ける見込みです。
平均寿命については、10年間で2~3年ほど伸びていることがわかっています。
リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの著作「LIFE SHIFT」によれば、「2007年生まれの日本人の半数が、107歳まで生きる」という研究結果もあると紹介されています
(なお、わたしは1980年と少しサンプルデータからずれますが、1987年生まれの半数が98歳~100歳まで生きると紹介されています)。
これから先、人口減少と長寿化は当面の間、続くと考えていいでしょう。
賃金の伸び悩み、退職金の減少、終身雇用制の廃止
上で紹介した人口減少、日本経済の停滞も相まって、賃金の伸び悩み、退職金の減少傾向は明らかです。
まず、賃金ですが、日本人の平均給与は20年間伸びていません。
海外と比べても、停滞しているのははっきりしています。
1997年を100とした場合の「実質賃金指数」
スウェーデン:138.4
オーストラリア:131.8
デンマーク:123.4
ドイツ:116.3
アメリカ:115.3
日本:89.7
(出典:東洋経済 日本人の給料がほとんどあがらない5つの要因)
このような状況で、退職金だけ上るはずもありません。
退職金は、過去15年間で1,000万円近く下がっているのです。
(出典:野村証券 退職金はピーク時よりも1,000万円減、あなたは何歳まで働く?)
「そもそも退職金などない」という企業も増えてきており、「老後は年金と退職金で過ごす」というスタイルが崩れつつあります。
2019年には、経団連会長やトヨタ社長が相次いで「終身雇用を続けるのは難しい」と発言しています。
働き方の観点で言えば、「老後も働く必要がある」ということを大真面目に考えなければいけなくなってきているのです。
年金受給年齢の引き上げ
2020年現在は、年金受給開始年齢は「原則65歳から」とされていますが、これも引き上げられる可能性が高いです。
そもそも、以前は国民年金は65歳、厚生年金は60歳から受給開始されていました。
しかし、2013年の年金制度改正で、1961年4月2日以降に生まれた男性と1966年4月2日以降に生まれた女性は、「どちらも65歳から」となりました。
今後も引き上げられるかどうかは明らかにされていませんが、以下のことから、「引き上げらる」と考えるのが妥当でしょう。
高齢者を支える労働者人口の減少、さらなる長寿化
「生涯現役社会」の実現に向けた高年齢者の就労促進(65歳以降の就労機会の確保に向けた取組)
「65歳定年を固めて、将来は70歳まで雇用を延ばす」という発言(社会保障制度改革国民会議会長 清家篤 慶応義塾塾長による、東洋経済)
70歳以降まで、今の働き方が続けられるのか、会社、仕事は存続するのかということについて考えながらはたき方を探る必要があるでしょう。
AI、ロボットによる効率化
AIやロボットの技術発展が著しく、特に、AIに関しては「2045年には、AIが人間の知能を完全に超越し、人間の理解が及ばなくなるシンギュラリティが来る」とも言われています。
このように技術が進化していく中で、これからの働き方に関しては、さまざまな見方があります。
例えば、「AIに人間の仕事が獲られる」という悲観的なものから、「どんな時代にもスキマの仕事はいくらでもあり、人間の仕事がなくなるなんてあり得ない」という楽観的なもの。
そして、「AIやロボットが、本来人間がする必要のなかった仕事をしてくれるようになれば、生活コストも下がり、人間は遊んで暮らせるようになる」という見解すらあります。
この分野は、正直、予想のつかないところも大きいのが現実です。
よく勉強しておき、不安のないよう早めに決断・行動するのがいいでしょう。
3つの新しい働き方
ここ数年で登場した働き方として、副業、テレワーク(在宅ワーク)、ジョブ型雇用があります。
以下は、それぞれのキーワードの2004年から2020年のGoogleでの検索数の推移について、Google Trendsで検索した結果です。
「副業」がじわじわと上昇しており、「テレワーク」についてはコロナの影響で一気に普及しています。
上記の働き方を取り入れる個人、企業も増えており、これらについて詳しく解説していきます。
副業・兼業
副業は、2018年1月に、政府が「モデル就業規則」を改訂し、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除し、さらには副業・兼業に関する規定を新設しました。
そして2018年は「副業元年」とも呼ばれるようになり、一気に副業という働き方が注目されるようになりました。
副業に関して、みずほ総合研究所は以下のように研究結果をまとめています。
・副業人口は270万人(就業者数全体の4%)
・一方、副業を希望する人口は2,200万人ほどと試算
・副業に前向きな企業が増加していく可能性
副業という働き方が普及して一般的になった、とは言えませんが、企業の2割、労働者の4割が副業に前向きであることからも、副業人口は、今後さらに増加していくのではないでしょうか。
テレワーク/在宅ワーク
コロナの影響で一気に広まったテレワークですが、「(東京都庁の調査によれば)2020年4月の都内企業のテレワーク導入率は62.7%」と、日テレNEWS24が報じています。
また、「『新しい生活様式』の実践例」として、厚生労働省は以下のように、明確にテレワークを推奨しています。
働き方の新しいスタイル
テレワークやローテーション勤務
時差通勤でゆったりと
オフィスはひろびろと
会議はオンライン
対面での打ち合わせは換気とマスク
実際に、わたしは現在、Webマーケティング企業に勤めていますが、コロナの影響で導入したテレワークが定着し、「今後もテレワークを基本とし、原則、週一出勤」となっています。
上司や同僚とのやり取りも、すべてメールやテレビ会議です。
業種によっては難しいところもありますが、今後さらにテレワークを導入する企業は増えていくでしょう。
ジョブ型雇用への変化
ジョブ型雇用とは、「職務を明確にした上で最適な人材を配置する、欧米などで一般的な雇用形態」です。
日本においては、メンバーシップ型雇用が一般的で、長期間をかけ、会社が社内でのジョブローテーションによって社員を育てています。
しかし、今後、ジョブ型雇用が増加したり、会社の中でも一部導入するなどされる可能性が高いです。
・2035年の企業は、極端に言えば、ミッションや目的が明確なプロジェクトの塊となり、多くの人は、プロジェクト期間内はその企業に属するが、プロジェクトが終了するとともに、別の企業に所属するという形で、人が事業の内容の変化に合わせて、柔軟に企業の内外を移動する形になっていく。その結果、企業組織の内と外との垣根は曖昧になり、企業組織が人を抱え込む「正社員」のようなスタイルは変化を迫られる。
・経団連は今年の春季労使交渉で、日本型雇用制度の見直しを重点課題として挙げた。同時に優秀な人材の流出を防ぎ、企業の国際競争力を高めるにはジョブ型が「効果的な手法」だと指摘する。時間管理が難しい在宅勤務が広がったことで、成果で評価する「ジョブ型」への移行が日本企業で増える可能性がある。
実際に、数は多くないもののジョブ型雇用の事例も出てきています。
終身雇用が厳しくなっていることからも、ジョブ型雇用が今後増えていくと考えるのが妥当ではないでしょうか。
これからの働き方のキーワードはスキル【結論】
ここまで、これからの働き方を考える上での現状や社会の動きについて、整理し、解説してきました。
あまりにも変化が激しく、多岐にわたり、しかも不確定要素が多いため、「これからの働き方の正解」はないと言えます。
ただし、「スキル」がキーワードになるのではないでしょうか。
競争力の落ちた日本経済、先行き不明な会社経営、引きつづき発展し続ける技術など。
これを踏まえれば、どの会社にいるかよりも、何ができるか。定年まで一つの会社よりも、スキルを元手に転職、という方がリスクが少なく、望んだ働き方ができるはずです。
少し長くなりますが、LIFE SHIFTから、これからの働き方を考える上での本質となる箇所を紹介して記事を締めくくります。
生き方の軸にもなる内容なので、ぜひ参考にしてください。
長寿という贈り物を手にする世代は、もっと選択肢が多く、もっと多様な人生を送ることができ、もっと多くの選択をする必要がある。
そのため、正しい道を選び取るために時間を費やすことの重要性が高まる。
未来を見据えて、自分の関心と情熱に沿った教育を受けること。
自分の価値観に適合し、やりがいを感じられ、自分のスキルと関心を反映していて、しかも袋小路にはまり込まないような仕事を見つけること。自分の価値観を尊重してくれ、スキルと知識を伸ばせる環境がある就職先を探すこと。
長く一緒に過ごせて相性のいいパートナーを見つけること。
一緒に仕事ができて、自分のスキル及び働き方との相性がよく、できれば自分を補完してくれるビジネスパートナーと出会うこと。
(出典:LIFE SHIFT)
これからの働き方を考えるための参考図書
これからの働き方を考える上で、参考になる書籍を3冊紹介します。
繰り返しになりますが、これからの働き方に「正解」はありません。
だからこそ、さらに本からも学び、自分なりに答えを出していくのがいいのではないでしょうか。
LIFE SHIFT
LIFE SHIFTは、2016年、東洋経済から出版された、ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授、アンドリュー・スコット教授による本です。
世界20カ国語以上に翻訳されており、日本でも2020年1月までに35万部を超えるベストセラーとなっています。
「お金偏重の人生を、根底から変える。成長至上の次に来る、新しい生き方。」と巻頭にある通り、働き方だけでなく、生き方について考えさせられる本です。
個人的には「現代人は必読だし、1回と言わず、2回でも3回でも読み直し、その都度生き方について考えるのがいい」と思うほどおすすめしたい本です。
ぜひ、読んで、これからの働き方について考えを深める時間をとってみてはいかがでしょうか。
未来の働き方を考えよう
社会派ブロガーとして有名なちきりんさんの本です。
https://twitter.com/InsideCHIKIRIN
LIFE SHIFTよりも、実生活に則した、日本人向けに具体的な内容にまとめられています。
要点は、一言で言えば「人生は2回選べる。40代で2回目の働き方を選択すればいいし、今はそれができる時代」ということです。
実際にわたしも、30代前半だけで「転職→独立→転職」を経験していますし、20代のころとはまったく別の業界にいます。
わたし個人の経験から言っても再現性があり、現実的な内容の本です。
この本も、ぜひ読んでみてください!
苦しかったときの話をしようか
経営破綻寸前のUSJを復活させた、森岡さんの本です。
内容は、森岡さん自身が、大学生だったころの娘さんに充てた手紙が元になっており、これからのキャリアの考え方についてまとめられています。
森岡さんは、大学卒業後、P&Gに入社し、ブランドマネージャーを勤めた後、P&G世界本社(米国)へ移籍、さらに要職を歴任し、退社。
その後、USJに入社、V字回復させた後、株式会社刀を設立しCEOに就任しています。
本では、森岡さんのキャリアに関する考え方が生々しく書かれており、娘さんに送られた内容だからこそ、ここまで熱を込められたんだ…と思わされてます。
人生をかけて、自信をもってキャリアを作っていきたい方におすすめです。
今まで以上に、数年後の生活スタイル、ビジネススタイルは変化していくことでしょう。
未来を見据えて、自分の人生を価値あるものにしたいですね。