シンガポールのCircuit Breakerが1ヶ月延長されたので、
今まで自分の周りに起きたことを記録に残しながら、感じたことをまとめてみました。
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そもそもCircuit Breakerとロックダウンの違いは何?
世界中のコロナウイルス関連のニュースをみると必ず聞く「Lock Down」。
でもシンガポールではこの言葉を聞くことはほとんどなく「Circuit Breaker」。
違いは何だろうと思いながらも、調べる気もなかったのですが、この記事を書くのをきっかけに調べてみました。
明確な定義がされているわけではないですが、Lock Downの方がCircuit Breakerより、いろいろと行動に制限があるようです。
Lock Down : 外出禁止。違反は罰金か禁固刑。食料の買い出しはオッケー。
Circuit Breaker :ロックダウンよりは自由がきく。家の近くでのランニングオッケー。政府に認められた仕事はできる。親族に会いに行くのはNG。
下記のコメントを見てみると、
(話それますが、本文中の「kpkb」はシングリッシュのスラングで、kao pei kao bu(cry father, cry motherを意味します)のアクロニムで「文句を言う」、「騒ぐ」を意味し、不平不満をいう様子を表す時に使うことが多いそうです)
「Circuit Breaker is a lot looser」と言っていますね。
電車に乗って、市内がどうなっているかを見に行ってもいいし、ストレス発散にドライブしてもいいからLock Downよりはぬるいよねということです。
シンガポールでLock Downが実施されるのは、DORSCONというDisease Outbreak Response System Conditionが「RED」になったらだと思います。(今はオレンジ)
参照:(https://mothership.sg/2020/04/circuit-breaker-not-lock-down/)
ぶっちゃけ上の図をみるとすでにシンガポールは「RED」だと思いますが、国民の極度の不安をあおることになるからしていないのでしょう。
今までに起きたことをまとめてみた
こんなこと人生で二度と出会うことがないと思うので、コロナウイルスに関する出来事を時系列にまとめておこうと思います。
●2019年1月23日(1名)
→初めての陽性患者があわわれる
●1月31日(計13名)
→13人の陽性患者。かめリーマンのオフィスの近くには毎日中国からの観光客がお土産を買いに来ており、コロナウイルス感染者が出ました。ランチでその場所に行っていたのですが止めることに。
●2月7日
→DORSCON(Disease Outbreak Response System Condition)のステータスが「Orange」に。かめリーマンはこの日からStay at Homeが始まる。(多分、企業の中ではかなり早い決断だと思われる。)
→食料品の買い占めなどが、一部発生。リーチェンロン首相が大丈夫だからと呼びかけることで落ち着く。宅配サービスに予約殺到で注文できなくなる。
●3月18日(計200名)
→シンガポールに入国する人は全員、14日のStay at homeが義務付けられる。この頃から感染者数が数十人単位になる。この頃ヨーロッパで感染者が増える。アジアハブ空港であるチャンギ空港に多くの感染した欧米人が来星したと思われる。
●3月20日(計385名)
→Trace Together appをリリース。ダウンロードしたモバイルフォンがブルートゥース通信でいつ接触したかを管理する。これで陽性者への濃厚接触者の特定が前よりは容易になる。
●3月26日(計683名)
→Stay at Homeを守らない人に対して罰金10,000ドルまたは6ヶ月の刑務所行きの法律が制定される。シンガポールのすごいのはすぐに法律化してガンガン罰するところ。
●4月3日(計1114名)
→リーションロン首相よりCircuit Breakerを4月7日から5月4日まで実施すると宣言。これにより、Essential Serviceと定義される業務以外は休業。多くの人が仕事をすることができなくなる。学校もオンラインでみ可となる。学校の宿題など、嫁の負担が激増。
●4月5日(計1309名)
→S11 Dormitory @ Punggolが隔離される。この頃からいろいろなDormitory(出稼ぎにきている外国人の狭い寮)で感染者が増えていく。
●4月11日(計2229名)
→Circuit Breakerを守れない人が見受けられることから罰金を課すことを政府がアナウンス。1日に数百人規模が守らなかった模様。陸上競技場でも5〜6名の集団で運動している人が散見されることから、クローズに。ショック。。
●4月24日(計12075名)
→Circuit Breakerの1ヶ月の延長(6月1日)が宣言される。Dormitoryの感染者が激増しており、感染者数は12,000人を超える。
(参照:Wikipedia)
かめリーマンはかれこれ3ヶ月の在宅ワークをしています。
最初は自宅勤務でラッキーと安易な気持ちも。
でも同僚と顔を合わせて話すことの必要性や、以下に周りの仲間と接することでストレスが軽減されている。
一人で黙々作業しているとそんなことがわかってきました。
日本と違うなと思った10のこと
日本のニュースはインターネットで見ているので、全てが正しい情報ではないかもしれないですが、シンガポールとの違う部分が多くあるなと思いました。
①法律を制定して制御するのが早い。
→日本は要請ですが、シンガポールは法に基づいて強制するので、Circuit Breakerの違反者は罰金か刑務所行き。有無を言わさないところが「明るい北朝鮮」と言われる所以か。
②首相の国民へのスピーチが上手
→リーシェンロンさんのスピーチは、「国民への協力への感謝+現状の報告」+「国民に負担をかける対策の提示(Circuit Breaker)」+「国民を助ける補償の提示」+「皆で戦おう」と起承転結がしっかりとされていて、国民のハートをしっかりとキャッチしています。
③企業の対応が早い
→2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)での経験が生かされているのか、DORSCONがOrangeに設定されてからの対応は早かった。かめリーマンの会社では、即座に2グループに別れ、隔週でオフィス出勤に。
④Safe Distance対応が早い
→政府が呼びかけると、レストランも、ホーカーも、会社の会議室も、Safety Distanceを守るために、座席が半減。エレベーターに乗る場所もマーキングされて、限られた人数しか乗れない。こういった、行動の速さは日本にはない。
⑤罰則者を皆で発見させる
→Circuit Breakerに関する法に違反している人を見つけたら、写真でとってアップロードするシステムを構築。徹底的に違反者を排除する政府の意志力、行動力を感じる。
⑥数千人の監視員を配置
→スーパーや公園などに行くと監視員がいる。ルールを破っている人に容赦なく罰金を請求する。
⑦Dormitory(低賃金の出稼ぎ労働者の寮)での感染率が劇増
→1日に1000人を超える感染者が出ている。
⑧濃厚接触者への対応が速すぎる
→Trace Together appや入退場記録などから特定された、濃厚接触者にはすぐに保険省から連絡が来て、救急車にて検査場所へ連行される。
⑨噂話は政府から直接、違うと連絡が来る。
→Whatsappなどで、誤った情報や噂が流れないように定期的に情報発信がある。
⑩シンガポール人・永住資格保持者を優先
→補償はシンガポール人やPR保持者が優先され、手厚いです。感染者数もシンガポール人・PR保持者は減ってきているとアピールしています。これはあまり受け入れられない感情が湧いている。
今思うこと。。
まさか仕事を家でする日が来るとは思ってもいませんでした。
すでに家で働き始めて3ヶ月。
職場でも感染者が出て、一気に身近になってきました。
いつになったら、通常状態に戻るのか。
通常状態には戻らないとも言われています。
新しい働き方に変わっていく。
それにいち早く対応する必要があるのでしょう。
息子の学校はオンラインになり、夏休みや5月からに前倒し。
6月からも通常に戻るかもわかりません。
何が正しいといった答えのない未来がやってきます。
自分で判断して生きていかなければならないと思います。
私のような現地採用の外国人はリストラの対象になるのは間違いないでしょう。
どこでも家族を養える、スキルを今から身につけておくことが大事と考える、
今日この頃です。
明るく、元気に、粘り強く。